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東京高等裁判所 昭和57年(ラ)195号 決定

本件記録によれば、抗告人は、昭和四二年三月四日売買により別紙第二物件目録記載(一)の土地及び右土地上に存する同目録記載(二)の建物の所有権を取得し、かつ、右土地上に昭和四〇年三月二六日保存登記にかかる同目録記載(三)の建物を所有していたところ、これらの全物件につき芝信用金庫のため昭和四四年九月一三日元本極度額六〇〇万円の根抵当権を設定し、昭和四五年八月二六日その旨の登記手続をしたこと、その後右物件中同目録記載(一)の土地及び(三)の建物が右根抵当権の実行により任意競売に付され、昭和五五年三月一一日右土地、建物は競落により相手方の所有に帰したこと、しかし、同目録記載(二)の建物は、依然右根抵当権が付着しているものの、現在も抗告人所有に属することを認めることができる。

右事実によれば、抗告人は同目録記載(一)の土地につき同目録記載(二)の建物利用のため必要な限度で法定地上権を取得したものと解される。

抗告人は、右法定地上権の及ぶ土地の範囲は別紙第二物件目録記載(一)の土地のうち同目録記載(三)の建物の敷地六六・〇四平方メートルを除く一二一・五九平方メートル(別紙第一物件目録の土地。道路に至る路上敷地部分を含む。)である旨主張し、その理由として、建築基準法四三条及び埼玉県条例(以下「建築基準法等」という。)に従い同目録記載(二)の抗告人所有建物を適法に所有しかつ維持することができるためには右路地状敷地部分に法定地上権を及ぼしえなければならず、このことは、右建物が焼失した場合を考えれば一層明白であり、焼失後の借地に新たに建物を建てることができないとすれば、建物所有を目的とする地上権の価値の大半は失われてしまうのであり、これに対して路地状敷地部分に地上権を認めても相手方に不利となることはないので、利益衡量からみても相当である旨主張する。

しかしながら、法定地上権の及ぶ範囲は、現存建物の利用に必要な範囲に限られるのであり、現存建物が滅失したとしてこれを再建する場合における建築基準法等の基準をもってその範囲を決すべきものではない。

(川添 鎌田 相良)

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